静岡産の棒茶

2017.03.09
グルメ・観光
日本一の茶どころである静岡県。焼津市民にとっても、日々の暮らしと日本茶とは、切っても切れない関係にありますよね。
ところでみなさん、お茶には大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか。若葉を摘んで作られる煎茶と、でんぼうと呼ばれるお茶の茎からできる棒茶。お茶と聞くと、パッと前者を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、じつは後者の棒茶は煎茶に比べて値段も手ごろでしっかりおいしい・・・。
今回は、そんな棒茶を専門に作っていらっしゃる山一園製茶株式会社に、そのこだわりや静岡茶の魅力を伺ってきました。

山一園のお茶は「深蒸し」でおいしくなる?

山一園製茶株式会社 代表取締役 小澤代輔さん

お茶の味・香りは、作られる土や気候によって大きく左右されます。そのため、他県のものと静岡のものとでは違った味わいになるのはもちろん、東西に長く北へも広い静岡県では同じ県内産のものであっても香りやコクがさまざまなんです。そんな静岡のお茶の魅力を伝えるために、山一園製茶株式会社さんでは素材から製造過程まで、一つひとつをこだわり抜いているんだそう。

そのこだわりのひとつが、「深蒸し」です。

農家さんで摘まれたお茶は、その緑色を保たせつつ葉・茎の青臭さを取るため、まずは蒸気で蒸されます。その際に通常よりも長く、深く蒸すとできるのが「深蒸し茶」と呼ばれるもの。山一園さんの作る棒茶はこの深蒸し茶にあたるので、豊かな香りやお茶本来のうまみ、コクが一層引き出されているのが特徴です。急須で注ぐと深い緑色をしているため一見渋そうに見えますが、深蒸しによって苦み成分は消されています。だから甘みが際立ってとっても飲みやすいんです。

山一園のお茶の賞味期限が短いワケ



スーパーなどで売られているお茶は通常、未開封であれば1年程度は持つものが多いかと思います。しかし、山一園さんのお茶の賞味期限は6か月と短め。その理由は、お茶を作るうえで最も大切な製造過程のひとつ、「火入れ」にあります。

火入れとは、蒸したお茶の水分を飛ばす工程のことで、火入れを長く行うほどお茶自体が日持ちするようになります。水分の多ければ多いほど、酸化が進むのも早まってしまうためですね。

山一園さんの工場で行われている火入れの様子。

しかし、長い火入れはお茶のうまさや甘みを減らし、さらに火の香りを強くしてしまいます。そのため、山一園さんではあえて火入れを短くし、水分量が多く新鮮なままの静岡茶をお届けしているんだそう。静岡のお茶本来のおいしさを伝えたいからこその、6か月という賞味期限だったんです。

大切なものは守りながら、新たなあり方を見つめる

創業から今年で50年。お茶と真摯に向き合い、静岡の棒茶のおいしさを焼津市から広めてきた山一園さん。現在もお客さんの声やライフスタイルを取り入れながら日々、静岡茶の新たな可能性を模索し続けています。

その試みのひとつが、洋食をよりおいしくする「フレーバー付き緑茶」の提案。わたしたちにとって馴染みあるお茶のはずなのに、ワクワクとさせられるようなものが開発されていますので、ぜひHPなどをチェックしてみてください。

今や、ペットボトルなどで手軽にお茶を飲むことができますが、急須で淹れたお茶のおいしさこそが本来のもの。その手間を含めた、ゆるりとした空気を大切にしていきながら、静岡のおいしいお茶を楽しみたいですね。

DATA
山一園製茶株式会社
住所〒421-0206 静岡県焼津市上新田862-1
TEL054-622-1724
URLhttps://www.yamaichien.com/