希少種いちご「桃薫(とうくん)」

2017.06.02
グルメ・観光
全国のなかでも、トップクラスの品質と収穫量を誇る静岡のいちご! 静岡で栽培が始まったのは明治時代の前半で、昭和時代の前半から全国区の知名度になったといわれています。なかでも県内では、いちご狩りや石垣栽培で知られる静岡市清水区が有名ですが・・・。

焼津市も負けていません。たとえば、焼津市飯淵(はぶち)で作られている「桃薫(とうくん)」は、日本を見渡しても栽培している農家は少なく、市場にも出回っていない希少品種なんです! 実際に桃薫を栽培しているシックスベリーファーマーズ代表の松田さんにお話しを聞いてきましたので、その情報をもとに桃薫のことをお伝えします。

桃薫ってどんないちご?

シックスベリーファーマーズ代表の松田さん

桃薫は、農研機構の野菜茶業研究所と北海道農業研究センターが、共同研究によって生み出した品種です。品種登録されたのは2010年とここ数年のお話し! それだけに、いちごの代表的な品種「紅ほっぺ」「章姫」などと比べると、栽培の歴史も技術も浅いので収穫量を確保しづらく、2017年現在ではとても貴重な存在となっています。

桃薫の特徴は大きく分けて3つ。「香り」「食感」「色」です。名前の通り、桃薫からはみずみずしい桃の香りが漂い、なんと食感まで桃と似ています。松田さんによると、「ほかの果物の香りがするいちごはいくつかあるけど、食感までほかの果物となるとなか見当たらない」とのこと。そして色も桃のようなピンク色、あるいは淡いオレンジ色をしています。桃薫は完熟しても真っ赤にはならないんですよ!

松田さんはなぜ桃薫をつくっているの?

松田さんが桃薫を栽培しているビニールハウス

松田さんが桃薫の栽培に乗り出したのは、品種登録された2010年くらい。松田さんだけでなく、焼津市でいちごの栽培を行う農家6名で結成された「シックスベリーファーマーズ」という仲間たちで作り始めました。

いちごはじつは全国的に見ると、生産量と需要は一致しておらず、飽和状態にあるそうです。いちご栽培を40年以上続けている松田さんは、その状況下で「このままでは先が見えている」という感覚があったとのこと・・・。

プラスアルファでリスクを冒さないとダメかもしれない――。そこで出会ったのが、当時品種登録されたばかりの桃薫だったのです。

桃薫のいまとこれから



6人の農家で結成されたシックスベリーファーマーズは、いまでは松田さんひとりになりました。栽培を始めて2~3年は商品として完成させるのは難しく、販売ルートもなかなか確保できなかったからです。松田さんは当時から「きらぴか」という品種をメインで栽培しているので、なんとか経営的体力が持ちました。

いちごの需要が高まるのはクリスマスシーズン。桃薫は普通に栽培すると1月~2月の時期に収穫が始まるので、松田さんは自前の専用冷蔵庫で収穫および出荷時期を調整しています。いまでは「その方法にも慣れてきて、やっと安定してきた」と話していました。

とはいっても、市場に出回るほどの収穫量はありません。いま桃薫を食べられるのは、焼津市のふるさと納税か静岡市に本社があるケーキ屋さん「キルフェボン」の冬季限定タルトのみとのことです。なかなか出会えるいちごではありませんが、ぜひ冬の時期はふるさと納税やキルフェボンでチェックしてみてください!

DATA
シックスベリーファーマーズ
住所〒421-0213 静岡県焼津市飯淵